心エコー法による診断および治療の発展に貢献する
抄録
近年、有症候性重症三尖弁閉鎖不全症(tricuspid regurgitation:
TR)に対する経カテーテル的三尖弁治療(TTVI)デバイスの開発が進み、外科手術がハイリスクと考えられる症例に対する治療法として期待されている。
TTVIは欧州で先行して臨床導入が行われ、欧州では接合不全修復による弁接合の改善(tricuspid transcatheter edge-to-edge
repair:Tricuspid-TEER)、拡大した弁輪の縫縮、人工弁置換術など多彩なデバイスがCEマークを取得している。
本邦でもTricuspid-TEERデバイスであるTriClipTMの導入が迫っており、経食道心エコー図検査をもちいた解剖学的適合性評価、術中の治療ガイダンスに関するアップデートが求められている。
TRの原因のうちで最も多いのは左心系疾患に合併する心室性機能性TRであり、AS・MR等の左心系弁膜症、左心系弁膜症の術後、およびHFrEF・HFpEFなどの左心不全、等がこのグループに該当する。
また、近年では持続性心房細動に起因する心房性機能性TRが認識されるようになっている。 そう考えると中等症以上のTRに遭遇する頻度は案外多い。
TR評価を主目的としない心エコー図であっても、TRの有無・重症度および三尖弁輪拡大の有無に注意を払って画像を取得しておくことは大切である。
一方で、あらかじめ重症TRであることが分かっておりその精査のために心エコー図検査を行う場合は、逆流重症度のみを重視するのではなく、TRの原因・機序・部位・副病変の有無・逆流重症度・右心系の形態・機能といった項目を含む包括的評価が必要になる。
これまで、三尖弁に特化した心エコー図の撮り方が提唱されたことは無いので、三尖弁複合体の解剖学的知識や、三尖弁の3D形態に関する知識を身に着けた上で検査に臨まないと、描出した画像の解釈ができない。
本講演では、経胸壁および経食道心エコー図検査による三尖弁の描出方法・描出断面を押さえた上でTRの包括的評価について概説する。
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